ワクチン・予防接種
ワクチン・予防接種
予防接種は、毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)や毒素をあらかじめ接種しておくことで体の中にその記憶を残しておき、いざ本当の病原体が入ってきたときに素早く体が反応して、病気にかからずにすんだり、軽くすませたりすることができます。
日本では定期接種と任意接種のワクチンがありますが、どちらも、治療法がない病気や、重い後遺症を残す病気を予防するもので、重要なワクチンです。お子さんのためにもどちらも接種することをおすすめします。
当院では予防接種のスケジュールの相談も行っております。お気軽にご相談ください。
平日13:30~15:00は予防接種・健診専用時間です。
上記時間以外でも接種可能な時間がありますので、都合のつかない方はお電話や受付でご相談ください。
わが国のワクチンの大部分が皮下注射で投与する皮下接種ですが、口から飲む経口接種(ロタウイルスワクチン)や皮膚にスタンプのように摂取する経皮接種(BCGワクチン)、筋肉内の深い部位に注射する筋肉内接種(ヒトパピローマウイルスワクチンなど)があります。
※日本小児科学会の予防接種スケジュールも参考にしてください。
20230710_vaccine_schedule.pdf (jpeds.or.jp)
ヒブは乳幼児の肺炎や髄膜炎、喉頭蓋炎など重症感染症を起こす菌で、この病気を予防するのがヒブワクチンです。
肺炎球菌は乳幼児の肺炎や髄膜炎、中耳炎を起こしますが、いくつかの型があります。小児用肺炎球菌ワクチンは13の型の肺炎球菌に有効で、ワクチンのつきにくい乳幼児にも効果があります。
四種混合ワクチンはジフテリア、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオのワクチンが一緒になったワクチンです。ジフテリアとポリオは国内での感染はほとんどありませんが過去には重症者が出ていました。百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。
B型肝炎ウイルスに対するワクチンです。感染がつづくと慢肝炎、肝硬変や肝がんになることもあります。母親がB型肝炎ウイルスに感染している場合には出生した赤ちゃんへの感染予防のために生後12時間以内、1か月、6か月時の3回投与が保険診療で行われます。
BCGは結核菌に対するワクチンです。結核は成人では肺結核の長引く咳や熱が有名ですが、粟粒結核や結核性髄膜炎とった重症の結核から乳幼児を守るために行われています。
麻疹は発熱、発疹から肺炎や脳炎などの合併症をきたす疾患で、非常に強い感染力があります。風疹は“3日はしか”とも呼ばれた発熱、発疹をきたす疾患で、妊婦が感染すると赤ちゃんに重篤な障害が出る可能性があります。
水ぶくれをもった赤い発疹が全身に広がり、重症化することもあります。帯状疱疹も同じウィルスが原因で発症します。
日本脳炎ウィルスを保有する蚊にさされることで感染し、急性脳炎を引き起こします。半数程度の方が後遺症を残す、治療法のない重篤な疾患です。日本での発症は少ないですが、東南アジアなどで流行があります。日本小児科学会では日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対しては、生後6か月からの接種を勧めています。
四種混合ワクチンに入っているジフテリアと破傷風について追加接種します。
ロタウイルスは胃腸炎の原因となり、下痢、嘔吐、腹痛、白色便(白色でないこともある)といった症状がみられ、小さい子ほど脱水になり重篤な状態になり、点滴が必要になることもあります。胃腸炎関連けいれんや脳炎を合併することもあります。
ロタウイルスワクチンは1価のロタリックスと5価のロタテックの2種類があります。両方とも生ワクチンで4週間の間隔で内服します。(経口摂取)。どちらか一方のワクチンだけを内服し、両者の混合、または交互に内服することは行いません。
おたふくかぜの症状は発熱や耳下腺腫脹が特徴です。髄膜炎や難聴を合併したり、思春期以降では精巣炎により不妊の原因になることがあります。
HPVは子宮頸がんの発生に関わるウイルスです。子宮頸がんは年間1万人が罹患し、、約2800人が死亡しています。17歳になる前にHPVワクチンを接種すると、子宮頸がんになるリスクが88%低下するという報告があります。また、17~30歳でHPVワクチンを接種しても、53%のリスク低下が期待できるとされています。